税がテーマの作文の例文紹介 小学生・中学生・高校生向け

タイトル：病院に行けない世界を想像して

ある日、私はインフルエンザにかかり、病院へ行きました。
そのとき、私が支払った診察料は800円。一緒に受診した母は、薬代を含めて3,000円ほど支払っていました。
「同じ病気なのに、どうして支払う金額が違うのだろう？」と不思議に思い、調べてみることにしました。

すると、私の医療費の大部分は国や市の税金でまかなわれていることが分かりました。
さらに、母が支払った3,000円も本当はもっと高額で、国が約7割を負担しているのだそうです。

調べを進めるうちに、私たちが普段納めている税金は、生活のさまざまな場面で役立っていることを知りました。
医療費もその一つで、病院での診察や治療にかかる費用の7～9割を国が負担してくれているのです。
そのおかげで、私たちは必要な医療を適正な金額で受けることができます。

では、もし税金がなくなり、今の医療制度が維持できなくなったらどうなるでしょうか？

診察料や治療費は3倍以上、場合によっては9倍以上に跳ね上がるかもしれません。
高額な医療費を払えずに、病院へ行けない人が増えるでしょう。
病気が悪化し、適切な治療を受けられずに苦しむ人も出てくるかもしれません。

また、インフルエンザやコロナウイルスのような感染症の場合、
病院で診断を受けられないことで感染が広がる可能性もあります。
その結果、助かるはずの多くの命が失われてしまうかもしれません。

こうして考えると、税金の大切さを改めて実感します。

私が100円のお菓子を買うときに支払う10円の消費税。
その10円が、誰かの命を救う助けになっているかもしれないと思うと、
これからも税金を納めることの意味をしっかり考えていきたいと思います。

タイトル：税は自分自身への投資となり得るか

「こんなに税金を取られて、本当に嫌になっちゃうわ！」

これは、買い物の後にレシートを見ながら母がよくこぼす言葉だ。
母が子どもの頃、消費税は5％程度だったという。しかし、今は10％と倍になっている。
支払う税金が増えれば、母が不満を持つのも無理はない。

さらに、私は今年受験を控えている。受験費用や高校生活にもお金がかかる。
兄弟もいるため、家計は厳しく、母が消費税の増加に敏感になるのも納得できる。

しかし、母が支払っている税金は消費税だけではない。
所得税・住民税・ガソリン税など、日常のさまざまな場面で税金を納めている。
年間で計算すると、家計から支払われる税金の額はかなりのものになる。

多くの大人が税金を負担に感じている。
そして正直なところ、私自身も税金を支払うのは嫌だ。
例えば、文房具を1つ買うだけでも税金が加算されると、なんとなく損をした気分になる。

では、なぜ税金を支払うことに抵抗を感じるのだろうか？
それは、税金の使い道を実感しにくいからではないだろうか。

例えば、デンマークでは消費税が25％と非常に高い。
しかし、その分社会保障が充実しており、医療費・教育費・介護費が無料だ。
国民は税金が自分たちの生活を支えていることを理解しているため、負担を感じるどころか、納税に対する抵抗が少ないという。

実際、デンマークは世界幸福度ランキングで2位に入るほど、国民の満足度が高い。
一方、日本は62位。
この差は、税金の使われ方に対する不満が影響している可能性がある。

もし日本でも教育費や医療費、介護費が無料になればどうだろう？
母も消費税を支払うことに対する不満を感じにくくなるかもしれない。
そして、私自身も高校の学費が無料になれば、文房具を買うときの消費税を気にすることもなくなるだろう。
なぜなら、その税金が政府に徴収されるものではなく、自分の将来への投資となるからだ。

タイトル：ワン・フォー・オール　オール・フォー・ワン

私は読書が好きで、毎週のように県立図書館を訪れ、本を借りている。
年間で借りる本の数は150冊以上になるだろう。

もし、これらの本をすべて購入すると仮定すると、1冊1,000円計算で約15万円。
中古本を利用したとしても、最低でも5万～10万円はかかる計算になる。
私のお小遣いでは、とても負担できる額ではない。

では、本来ならば私が負担すべきこのお金は、一体どこから出ているのか。
その答えは、税金だ。

私のような学生にとって、最も身近な税金といえば消費税だろう。
その中には地方消費税が含まれており、これは国ではなく県の財源として使われている。
この税収が、図書館をはじめとする公共施設の維持・運営に役立てられているのだ。

図書館にはさまざまな人が訪れる。
本が好きな高齢者、休憩を兼ねて立ち寄る主婦、勉強に励む学生、絵本を楽しむ幼児たち。
そんな中で、私はある親子と出会った。

母親の恵美さんと、その娘の陽葵（ひまり）ちゃんだ。
陽葵ちゃんは4歳で、発達障害を抱えているという。
彼女は、毎週土曜日に開かれる絵本の読み聞かせ会を心待ちにしているらしい。

読み聞かせが始まると、陽葵ちゃんはじっとしていられず、時折声を出してしまう。
しかし、周囲の人々は温かく見守っていた。
母親の恵美さんも、安心した表情で微笑んでいた。

読み聞かせが終わると、陽葵ちゃんは小さな手をぱちぱちと叩きながら、
「もう一回！」と拙い言葉でアンコールをお願いした。
すると、読み聞かせの担当者は快くもう一度読んでくれた。
陽葵ちゃんの顔は、喜びに満ち溢れていた。

このような活動が実現するためには、図書館の建物・蔵書・職員の給与など、あらゆるものに税金が使われている。

私は、この出来事を通して、
「税金とは、人がよりよく生きるために支え合う仕組みなのではないか」と感じた。

私が支払った税金が、誰かの暮らしを少しでも豊かにする。
そして、誰かが納めた税金が、私の生活をより良くしてくれる。

実際に、陽葵ちゃんは図書館の読み聞かせで笑顔になり、
私はこの場所で年間150冊以上の本を無料で読むことができているのだ。

「みんなは1人のために、1人はみんなのために」

この言葉が示すように、税金とはお互いを支え合うことで成り立つシステムなのかもしれない。